2007年06月22日

バビバビ。

amazonでブローティガンを絨毯爆撃購入。
「バビロンを夢見て-私立探偵小説1942年-」が4900円だった。底値だ。
バビロンを夢見ないとどうにもならないこともあるので即Bit!

再販しないのは俺のせいじゃないので、大好きな一章を盗み出す。

バビロン

 おっ、まずいぞ、自分のアパートにもどる階段を下りながら、おれはバビロンの夢を見はじめてしまった。まさになにかをしなくちゃならないというそのときに、バビロンの夢を見てはだめなのだ。バビロンに気をとられてしまえば、知らぬまに何時間もすぎてしまうからだ。
 自分のアパートでじっとしているうちに、いつのまにかもう真夜中になっちまったなんてことになれば、人生をやりなおすキッカケを失うことになってしまうじゃないか。重要なのは、ただちに拳銃に詰める弾丸(たま)を手に入れることだった。
 そのときおれがもっとも必要としていなかったことはなにかといえば、バビロンの夢を見はじめることであった。
 しばしバビロンには引っ込んでいてもらわねばならぬ。そう、弾丸を手に入れるまではな。おれは墓のようなにおいを放つ、黴だらけの見苦しいアパートの階段を下りながら、おれとバビロンのあいだに一定の距離を保たねばならぬと、英雄的な努力をした。
 ほんのつかのま、きわどいなと思われたが、やがてバビロンはおれを離れ、暗闇の中へ漂うようにもどっていった。
 ちょっと、せつなかった。
 バビロンに消えてほしくはなかったのだ。


とまぁ、営業職には役立たずだが、お好きな方にはたまらないこの一章。原文を知らずとも藤本和子女史の翻訳が本質を捉えて離さないことが分かってしまう。感嘆しつつ著作権を侵害するのは、この作品が市場に出回っていないから。


ブローティガンが指すバビロンは、別に物質社会のことじゃないし、ましてやレゲエの子たちが言うような警察の隠語でもない。目覚ましが鳴った後、二度寝したことのある人間であれば誰であれ、どこかに持っている夢うつつのふるさとのことだ。

テキーラに浮かれて楽しくてしょうがなくても、バビロンはそっとそこにあるし、結局二日酔いで目覚めた朝には、バビロンに頼ってるのだ。そしてすぐ忘れるけど。バビロンほど健気な奴はいないんだけど、バビロンのことを忘れっぱなしの方が儲かりそうでは、ある。
posted by hatfull at 23:49| 雨| Comment(27) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月01日

もう好きぢゃないよ。

忙しかったんだ。ありえない残業時間だったんだ。遅ればせながら明けましておめでとうございます。



あまりにも作風が違うんで気付かなかったよ。
俺と悪魔のブルーズ

俺と悪魔のブルーズ 1 (1)



鴨志田穣、アルコール依存症を乗り越えた先にあった癌により死去。彼の元妻のマンガを越えて彼自身の著書に触れた人間にとっては人事ではない。なぜならそういう連中が触れるから。
最後のアジアパー伝 文庫版

ここから「旅のつづき」をクリック。


http://homepage2.nifty.com/jyurousya/

カモの頑張らないぞ


サイバラマンガ。



渋谷BOOT STREETからの一発JAPANESE RAP STA ~ON BOOTSTREET~の8曲目「DOGG LIFE」のD.Oのバースのジャパニーズギャングっぷりがどうにも泣ける。
「現在裁判執行猶予服役中ツレらの真ん中から昇れ/ストリートで作る掴む金/クソッタレでも見れる夢」



歴代の彼女の名前をgoogleで検索する、という不毛でストーカー一歩手前かつセンチメンタルな行為をしたことを、自信たっぷりに公表しよう。
Romance
このアルバムの10曲目「影」を思い出す。



久しぶりに、NEWメンバーで行った星の王子さまミュージアム。オレも運転うまくなったなぁ、と思いつつ、帰り道、ひとりぼっちになった寂しさに、思わずガガッとカポネを擦った・・・。
posted by hatfull at 23:41| 曇り| Comment(9) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月01日

ことばの、おんがく。

昨日、マイクジャックプロダクションのサイトを見つけた。
コカインの密輸でパクられ、オーストラリアの刑務所にいるBIG JOEのメッセージがあった。
別に刑期が短縮されて釈放されたわけではなく、檻の中からのポジティブな通信。彼の刑期は2009年まで。色々考える・・・ふりをする。

で、今朝。マイクジャックプロダクションの音源は持ってないので、元MJPメンバー、SHUREN THE FIREのシングル「BIRD OF 12 GAUGE」を聴く。

とりあえず、ラップ入りをガーッと聴いて、ゆっくりと「BIRD OF 12 GAUGE」後半に収録されているインストverに浸ってみよう、と思った。

が、やっぱりSHURENの声と言葉のために作られた音楽(っつーかそのために自分で作ってるんだけど)であるなぁ、と。インストに言えば、インストゥルメンタルミュージックとして楽しむには、バックの重ねた声が入っているのが邪魔だった・・・。

俺は、SHURENが所属しているTBHRのカリスマ、THE BLUE HERBのBOSS THE MCが苦手だ。なんか説教臭くて(ただし他アーティストに客演する際のILL BOSSTINO名義の曲は、かっこよさに振りきれていて好き)。
でも、ナルシスティックすぎるという批判も聴こえるSHUREN THE FIREの言葉は好きだ。巻き舌で英語使われても、なんか好きだ。







そんな感じでガタンゴトン。


午前中は、こんな俺が司会業に勤しむ。
思い返せば三年の付き合いになるリーダー(通称ミスター・ノービジョン)が本日付けで異動。俺をこんなとこに引っ張り出しといて逃げるか、と。
ま、異動だからしょうがないんだけどね。エリートさんも大変ですね。

午後、迫っていたBADな予感は的中。ま、昭和前半の不穏から暗黒の開戦へ突入って流れ。
明日から死地に赴く艦隊の船長は・・・俺とD君。



ため息交じりの帰り道、ロイヤルホストでデラックス定食。
「ここがパリなら」と呟いたD君の一言から、関内は19世紀末のモンマルトルに変貌。アブサンで自分を追い込んだわけではなく、疲れ果てたその先にアブサンがあったんだと思うよ。

先日話したポエトリーリーディングについてご質問。
「この前のあれって日本語のリズムじゃ駄目ってことでしょ?」
うん、まぁ正確には、外国の文化を日本で表現するときに翻訳作業が入るということで、それをいびつに見せないためには創意工夫が必要になる、日本語には日本語の流れがあり、ガイジンのHAIKUが俺たちには珍妙に見えるのと同じであり、というような話をしたんだけど、よくよく考えてみれば、ポエトリーリーディングの底には、その珍妙なHAIKUやらZENやらが沈殿してるんだよな。

実例としてシアターブルックの日比谷野音で見た町田康のポエトリーリーディングが流れるようにツラツラとリズムに合致していて、不自然さはまったくなかったが、音楽としても言葉の塊としてもこれっぽっちもかっこよくなかった、完成度が高くてつまらないものなんてイラナイよ、とか話してるうちに、朝聴いたシュレン・ザ・ファイヤーを思い出す。

俺が朝聴いたシングルではなくアルバム「My Words Laugh Behind The Mask」の一曲目、俺が一番好きなSPACE RADIOを。


My Words Laugh Behind The Mask
Shuren The Fire
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まず大前提として、最高にかっこいいトラックメイキングの才能、リズム感、かっこいい声があり、その上で日本語を英語に寄せながら宇宙へ行くような感じ。



続いてご本家(?)ジャック・ケルアックの「Washington D.C.BLUES」を。
物悲しいピアノの調べに導かれて始まり、音楽と言葉の冒険が始まり、やがて物悲しいメロディーに収縮されていく17分46秒の冒険。


Reads on the Road
Reads on the Road
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Jack Kerouac
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「washington D.C.Blues」「ケルアック」で検索したら、俺以外にあんまこの曲でココロ揺さぶられている人がいないことが判明し、少しカナシイ・・・



んでもって、D君が新宿スポークンワードスラムに興味を持ったようなので、かつてSSWSにも関わりを持っていたMSC、いや、MS CRU時代の衝撃作「帝都崩壊」から、嫌がらせのつもりで、あえて一番聴く人を選ぶ「快感」を聴かすと・・・「あ、俺、コレ好きですよ」とあっさり。


帝都崩壊
帝都崩壊
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MS CRU
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戦後の少年愚連隊みたいな奇異なヤバさを持つジャケとそれ以上の内容。みんなが忘れていた角度からの一撃!当時はマジで衝撃でした。



後は、金について。悲しみについて。パリジャンらしく語ったけど、すでにカケラも覚えてないね!俺のデラ定がなかなか来ないのは、俺が有色人種だからか?と思ったのだけは覚えてるけど。デラ定のチキンライスがおかずのダイナミックさに対しプチすぎたのも、俺がイエローだからかな?

そんなこんなで会計を済ませると、そこはただの関内でした。
で、帰りの横浜駅で、この三ヶ月で、自分の中に「相鉄線のホームの行列で座席に座れる確率を判断、そして出遅れた際、一番座席に座れる確率が高いスポット」を完全に自分がマスターしていることに気付きました。ミスター・ノービジョンのお陰です。ありがとう、そしてサヨウナラ。

ま、こんな感じだ。
posted by hatfull at 00:38| 雨| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月25日

にちようまでは。

にちようまでは。腰が痛くならないように。

とゆうことで、連休初日は近所の病院へ。評判よくないとこなんだが、とりあえず電圧マッサージしてくれるんで。ちなみにここの娘は小学校のときの同級生。レントゲンを見ながら「娘も医者になったよ、地方の大学病院にいるよ」と先生は言った。

翌日、まだ腰はチョイ痛い。ので整体初体験にチャレンジ。予約電話で聞いた住所はただの民家で、駐車した俺を、普段着のおじちゃんがニコニコ微笑みながら待っていた。
「そのクルマ、いいねぇ、外車かい?」
お、カポネ、褒められたぞ!
おじちゃんは書斎兼診療室に俺を招き入れると、セーターの上から白衣を羽織って「で、どうしたの?」と尋ねた。

「イタイイタイイタイ!!!!」
「ここもかぁ・・・アンタ、相当疲れてるねぇ、ところでアナタの住んでる二丁目ってどの辺り?」
という会話から、こちらも娘が中学の同級生らしいと判明。全然覚えてないけど。
「娘はとっくにヨメに行ったけどね」


グリグリと筋肉をほぐしていただき3000円ナリ。この解放感はたまらない。
むしろ、足から首筋まで解きほぐされたことにより、相変わらずの両腕だけが重りをつけたように重苦しく感じた。
が、同級生の間で、俺は今いったい何位だ?という疑問が消えないまま。










にちようまでは。 通勤に二時間強かかります。

朝、久々にオーネット・コールマンの「The Shape of Jazz to Come」を。ジャズの中で初めて素直な形で受け入れられたアルバム。
なんかえぐるというよりフワッと拡散していく柔らかさが好き。

俺はそれまでのジャズの歩みを知らず、このアルバムが当時音楽界に与えた衝撃も知らないし、どのアドリブがどう凄いのかも分からん。

が、初めて聴いたとき、ふんわりと感じ、それはトンだりした夜には羅針盤となり、今でもその感覚のままなので。







にちようまでは。ある男に彼自身の過去が追いつくのをニヤニヤ笑いで他人事ながらしんぱいちゅう。にちようまでは、俺自身はわかっていても、かんがえちゅう。にちようまでね。


考えながらの帰り道、考えんのめんどくさくてバースト、死んだ脳が求めた音楽は懐かしきキミドリの「"オ・ワ・ラ・ナ・イ〜OH,WHAT A NIGHT!"」。

この曲を金字塔足らしめる要素はトラックの素晴らしさとサビを歌うガールの印象的なキュートボイス。だが、クボタタケシは「こうゆう声の人お願いします」とタレント事務所かなんかに発注かけただけなので、この歌声の主の名前すら覚えていなかったという・・・。

どうやらこのヒトらしいですよ、クボタさん。


キミドリ KURO OVI クボタタケシ MAKOTO 小玉和文
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「ポップなラップ」が売れるのであれば、10年前の本当の「ポップなラップ」に触れてみやがれっ!
posted by hatfull at 00:07| 雨| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月21日

凡人のこじきポップと天才の二周忌。

さて。本日、海に近い閑静な高級住宅街に赴いた。仕事で。

実わ、今を去ること7、8年ほど前にもその地に赴いたことがある、仕事で。

前回も今回もスーパーマーケットが絡んだネタであり、そうすると俺ん中ではClashのlost in the supermarketなのである。

「スーパーマーケットで迷子になちゃって、もう楽しく買い物どころじゃない‥‥僕はここに居るのに誰も気付いてくれない。家に戻れば僕は僕なのに、そこを離れたらこのざまだ」

実際、ポカッとなにも予定がない休日に、町田の古本屋、高原書店の4Fで、新宿ユニオンの6Fで、などなどにおいて、突如気分が迷子ちゃんになることって、あるじゃん。むしろそれこそが生きてる証です。



London Calling
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The Clash
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スーパー迷子ちゃんは8曲目にちょこんとお座りしてます。ちなみに俺、このアルバムジャケをパクったポップを作ったこともあるよ



で、茫然自失な虚ろeyeでポップを作成する。俺は、ポップパネルを用意していなかった。理由は、電車の中で恥ずかしい思いをするのも、でかいモノを持ち運ぶ手間もイヤだったから。例えそれが仕事であろうとも、イヤなものはイヤだったから。
で、どうするかっつーと、他業種の方々が捨てたゴミを漁るわけだ。段ボールや使われなかったパネルを「それ、いいっすか?」と。
そしてポッケから取り出すひとつのカッター(事務所からの盗品)でサクサクとパネルを切り刻み、ポップを貼り付ける。両面テープが足りなくなった分は、他社の用意したセロテープを奪い丸めてくっつければOKのやっつけ仕事。カッターをサクサクやってるうちに、迷子になっていた俺は俺の元にふんわりと戻ってきた。
ので、セロテープをくっつけ終わった俺は、営業先の責任者に高らかに宣言した。
「じゃあ俺、帰りますわ」

こんな一日だけど、一応緊急出勤だったのだ。










で、ipodの中に、名古屋のシンガーkalassy Nikoff(ラッパーとしての名はAK-69)のファーストアルバム「PAINT THE WORLD」が入ってるのを発見。まぁ俺が入れたんだけど。
まだB-ninjahとのコンビが解消される前、ゲッツ板谷でいうところの金角時代といえば分かりやすく・・・ないか。
要するに、名古屋から日本を飲み込んだ天才ラッパー、トコナXが存命時の作品ってこと。


PAINT THE WORLD
PAINT THE WORLD
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Kalassy Nikoff Equal B-NINJAH
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諸事情によりB-ninjahとのコンビは解消


god&bluesという曲のfeatがトコナなんだが、これが良かった。
力を込めてサグな生き様を歌う系なんだがどこかロマンチックなAK-69。それに対してトコナは軽い。
軽い調子で「神様仏様ゆーのはどこかや あいつの下げとるロザリオのことかや?」「ただ言えるなぁ死んでまったお爺やら会うこともなかったガキやらに合わせれるツラ、だけはなぁそりゃ」
とサラリとラップするわけだ。

思い返してみれば
「でら死ぬほど金掴んだら、この星逆に転がしたらぁ」
「コカインやっとるとかさぁ、やっとるけどさぁ」
「どんな奴?ヤな奴。女でも容赦なく叩いていわしてまう」
とか、全部サラリと言うからカッコよかったんだよなぁ、と考えながらふと思い当たって調べてみた。
トコナが死んで、明日で二年だ。

M.O.S.A.Dの「THE GREAT SENSAION」が2002年リリースだから、都合4年トコナの声を聴いてきて、今更スーツ姿、ラッシュアワーのホームでこんなことに気付くとはね。今まであんまそこんとこ深く考えることなかったわ。サラリと言ってのけるからココロに残るのかも知れない。
これがトコナの「女抱くのに不自由ねぇ由来」だったのか。そうか、俺もサラリします。



THE GREAT SENSAION
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M.O.S.A.D.
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トコナXが在籍したM.O.S.A.Dの現在唯一のアルバム。諸事情により現在のメンバーは二名。




トウカイ×テイオー
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TOKONA-X
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トコナのソロデビューアルバム。おそらくこの後、発売元レーベルのデフジャムジャパンとトコナの関係は悪化したんじゃないかと俺は思ってたり。
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2006年11月15日

2006ssorr。

かつて、プライマルスクリームが好きだった。


俺の部屋には1997年作「Vanishing Point」のA全ポスターがボロボロになりつつ今でも貼ってある。

primal.jpgCD屋に勤めてた名残りっす。




このアルバムの6曲目「out of void」を聴きながらうたた寝ていた夜、シラフであり得ないくらいブッ飛んだことがある。
ビートが導く音楽のトンネルの中を、くぐもりすぎて消えそうなベースラインに必死で掴まり、浮遊しながら進んでいく俺の頬の傍を、ウワモノが流れ星のように掠めて飛び去っていくスピード感は、その後、なにやらキメたところで決して再体験することはできなかった。それだけに俺の中で、今でも新鮮に思い出せるスペシャルな体験だ。

バニシング・ポイント
プライマル・スクリーム
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俺にとっては、スクリーマデリカ以上にここがMAX。





’98フジロックのプライマル・スクリームは、グダグダで目も当てられなかった。確かボビーも機嫌が悪く、テレビのインタビューに「ファック」の一言しか答えなかった記憶がある。っつーか初回の反省から豊洲で行われたコンクリート灼熱照り返し地獄は、俺にとっても最悪のものであり。97年の台風は今じゃいい思い出なんだけどね。


2000年くらいにNKホールで見たライブも、音響がひどくて素直に楽しめなかった。俺はPA卓のそばにいたんだけど、それまで必死にフェーダーをいじってたPAの人が、ライブ中盤に「もー降参、ムリ」と両手を挙げて苦笑いしたのを見たもん。
ただ、アンコールの「higher than the sun」で紅い照明の下で、観客のひとりをステージに引き上げながら、ユラリユラリと体を揺らすボビー・ギレスビーは本当に美しかった。

その日、ライブ自体に対する失望と裏腹に、俺の中でボビーはホントの意味でロックスターになった。たとえ音楽がボロボロでも、絵になるたたずまいを魅せられるのがロックスターなんだなぁ、と。








残念なのは、バニシングポイント以降のアルバムはどれも俺の中でホントにダメだったこと。世間で絶賛されている二作が、俺には全然響かなかった。
たまに雑誌のカバーで見掛けるボビーは相変わらずクールだったが、発売されるアルバムの中身は、物騒なタイトルとイカシまくったアートワークほど刺激的には思えなかった。

マイ・ブラッディ・バレンタインの音壁仙人、ケヴィン・シールズを擁して作り上げたディストーションエレクトロニクスの質感は分かりやすいぐらい凶暴だった。でも俺にとってケヴィン・シールズがプライマルとやってこの音が完成することは驚きでもなんでもなく、予定調和な音にしか感じられなかった。
むしろ、プライマルがそれまで傷だらけになりながら続けていた音楽冒険の旅を放棄して、分かりやすい場所に落ち着いたようにすら思えた。
たとえそれがエレクトロニックガレージという形態の誕生だったとしても、つまらなくてしょうがなかった。


XTRMNTR
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Primal Scream
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2曲目「Accelerator」のタイトルが俺のアイドルroyal truxの名盤から取ったものだったことで期待が過剰すぎた俺も、悪いのかも知れん。



Evil Heat
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プライマル・スクリーム
ソニーミュージックエンタテインメント (2002/07/31)
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プライマルのことだ、この前のことは忘れて違うスタイルで来るだろう、と安易に期待した俺も悪かったのかも知れん。





それでもつい、新譜が出てしばらくすると、そのジャケットのヤバさに手が伸びちゃうのがプライマルスクリーム。ボビーがかっこよくてジャケがかっこいい。だからいいじゃないか、と自分を納得させた「Riot City Blues」。

一見分かりやすいロックンロール回帰に見える今作は、前二作を評価した人には、分かりやすい路線に後退したように思えるかも知れない。だけど俺にとっては、プライマル・スクリームが新しい場所に飛び出してきた、とてもフレッシュで新しいロックンロール。

元々、ボビー・ギレスビーは決して歌のうまいヴォーカリストではない。だが、危うい音程もあってひんやりと感じる、そこでどこか甘い唯一無二の声は、ロマンチシズムに溢れ、その声は絶望と希望が入り混じって、粋がってツバを吐き散らしながらも夢から覚めきれないガキみたいな音によく似合う。

それはなにかと言えば、結局ロックンロールなんだと思う。多分、俺は「Vanishing Point」とそれに続く同作のダブver「Echo Dek」の後、ずっとこのアルバムを聴きたかったような気がする。
でも、この新しい歪み方のロックンロールは、前二作を経てこそたどり着けたものなんだと思うと、愛せなかった「XTRMNTR」と「Evil Heat」にもアリガトーの一言ぐらい、言ってやりたくなる。

なんつーか・・・ライオット・シティ・ブルースというタイトル、シンプルでいてたまらなくかっこいいジャケと、サウンドが俺の中でぴったり一致。

Riot City Blues
Riot City Blues
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Primal Scream
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ま、結局は俺がロックンロール好きだっつうだけなんだけどさ。とにかく最高の2006年型スウィートサウンドオブロックンロール!











ゴメンナサイと思いながらもゴメンナサイということは失礼に当たることもある。物事はうまく噛み合わず、腰が痛くなってきたところで、俺が怒るはずが相方が先にキレて、宥めた。そ
んな週明けだったので、ちょっと真剣に書いてみたが、なぜか音楽のことでした。
posted by hatfull at 01:27| 雨| Comment(1) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月09日

オトコのコなら痩せガマン。




頭の中に鳴り響いているめろでーがなんであるか気付くのに、時間がかかった。正解は、squarepusherの「Iambic 5 Poetry」でした。


昔々、大雨の真夜中に友達の軽自動車に乗っていたとき、たまたまかけていたソニーのサンプルテープからこの曲が流れ出して、ブコウスキーの世界とコーエン兄弟の世界のまんなかにいる気分になった。
なんかもーしがない二人で人を殺してしまい、これから山に埋めに行く途中、でもコレがまた、死体を埋めるまでにトラブルが振りかかってくるんだろなーみたいな、そういう気分になった。


Budakhan Mindphone
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ドリルンベースでもなく、超絶ベースもない。ただただ哀しく美しい名曲は一曲目。









般若の「向こう側」を聴きながら、俺の恋愛観に多く根ざすマンガの恋愛シーンがふたつあることを思い遜した。

そのうちのひとつが、ビーバップハイスクールでのヒロシとトオルの後輩、シンペー(確かシンペーだった気がする)が彼女に振られるとき。
新しい彼氏(好青年)と一緒に「シンペー、ホントにゴメンネ」みたいなことを言う女に対し、シンペーは見其しくもあらん限りの罵声を浴びせまくり、呆れた女(+ニュー彼氏)が去っていった後、泣く。で、トオルとヒロシが肩を叩いて「お前、かっこいいぜ」みたいな。

「向こう側」はダイレクトにそういう曲。疾走させたら右に遜るものなしの般若が、しっとりしたトラックに乗せ、無様な別れを爽快なほど見其しくブチ撒ける。

「誰とどこでなにをやろうと 誰がお前をどこで抱こうと 知ったこっちゃねぇ そこらの野郎とヤるのが結局オメーだろーよ」と罵り「ビッチ!!!」を連呼する曲なんだが、罵れば罵るほど、男の情けなさと失恋の深さが迫ってくる系。



内部孫・
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般若
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男の子ならやせ我慢。






ついでに、ビーバップともうひとつ、俺の恋愛感に多大なる影響を与えたのが「湘南爆走族」における権田二毛作の恋。
確か、大学生と付き合ってる女の子にホレた権田を心配した子分が情報を集め「あのコ、彼氏とうまく行ってないみたいです、チャンスですよ」みたいな進言をすると「そういうやり方をオメーかっこわるいって言うんだよ」と漢の一言。かっこいい・・・。



とまぁ懐かしい80'sヤンキーマンガの脇役二人が魅せた痩せ我慢の美学が12才の細胞に流れ込んだまままだ抜け切れちゃいないのがアレで、俺は今までの人生でウサギちゃんを何匹か取り逃がしているんじゃないか、と多夜中の反省会が始まってしまい、さっき終了。なんなんでしょうね。



俺たちの好きなBE-BOP-HIGHSCHOOL―ツッパリ青春漫画の傑作と80年代ヤンキー伝説

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その後10年を経て、作品のダレ具合に比例してシンペーはただの馬鹿キャラに成長。感銘受けた俺の立場は・・・。
posted by hatfull at 04:15| 晴れ| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月03日

ドラッグ・ストーン・カウボーイ。

懐かしい顔がいっぱいあった。案の定、約束してた休日は潰した。左膝を痛めながら戦った、ら、疲れた…。まぁパーティーだよ、パーティー。







で、戦いのために消え去った安息日を取り戻す呑みをしました。
急遽穴埋めに呼んだ(←失礼)カツは、激務で疲れ果てテンション低め&痩せていた。
俺が三年前から口をすっぱくして言っていた「オマエは黙ってればかっこいいんだから黙ってろ、その方がモテるから」が実現していたわけだが、実現したときには、女を口説く時間も気力もないっつー・・・人生うまくいかねーな。

俺自身、疲れが取れないままだったが、楽しめた。カツもアルコールが回ると喋りだす。
まぁカツはモリゾーに、モリゾーが会ったこともないO君の優しさを熱弁し、モリゾーはカツが読んだこともない「はちクロ」の魅力を熱弁し、とお互いに自分が言いたいことを勝手に喋ってるだけだったけど。
まぁ酒は呑みたい仲間と呑むのが一番だわ。







んでもって。終電の中で突如閃いた「今なら聴ける!」と。
私立文系UKギターポップ専攻してた俺ではあるが、いや、そうだからこそ
あえてthe verve以降、と言い切ってしまおう、21世紀型のしっとり歌い上げ系のUKバンドには苦手意識、というかジェネレーションギャップを感じてしまう(いや、TRAVISは大丈夫なんだけど)。
で、一応持ってるけど、たまにクルマんなかで流す程度だったcoldplayの「Parachutes」。


辛気臭いメロディーバンドの中でTravisだけは受け入れられたのは、driftwood(2ndアルバム「The Man Who」収録)に代表される柔らかなメロディーと声の優しさと哀しさが、80年代におけるthe smithsと同じ説得力を持って感じられたからだ。
一聴して、coldplayにはそれを感じることができなかった。

が、イイ感じに酔っ払った俺は、コールドプレイのツルリと無味乾燥に思えた、ただのメロディーを静脈にブチ込みたい気分だったのだ。
俺には、coldplayの意志が見えない。なんで爆発的に売れたのかも理解できない。けど、ただのメロディーがイイ感じで俺を運んでくださいましたよ。
問題は・・・yahoo時刻表が間違ってて、イッコ前の駅で終電が終了したことぐらいだな。


Parachutes
Parachutes
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Coldplay
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おすすめ度の平均: 4.33
4 ゆっくり,ゆっくり,沁みてくる。
3 2005年夏、初めてのcoldplay
5 3回聴けば良さに気付く

聴きながら、一駅歩くはめに。ダイエット以来久しぶりの一駅歩き。





で、こんなに多忙でもー困っちゃう!な俺だが、実はamazon駆使してコソコソと取り戻してる。なにを?俺を。

ブランキーの「赤いタンバリン」と「ガソリンの揺れかた」を買い直した。
もちろん、表題曲は耳にタコができて中耳炎になるほど聴いてるわけだが、買い直した理由はそれぞれのカップリングをipodにブチ込むため。
「赤いタンバリン」のC/W「ロンドン」と「ルーディー」、「ガソリンの揺れかた」のC/W「嫌われ者」「ピンクの若い豚」。



特に、俺は「ルーディー」と「嫌われ者」がたまらなく好きなのだ。ポリドール移籍後のブランキーのシングルには、未だベストに収録されていない名曲が揃っているので、後追いキッズはチェック必須。他には「シェリル(ダンデライオンのC/W)」「コスモス(PepinのC/W)」「don't kiss my tail(左ききのBabyのC/W)」をお忘れなきように。



赤いタンバリン
赤いタンバリン
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BLANKEY JET CITY
ポリドール (1998/01/21)
売り上げランキング: 107,043
おすすめ度の平均: 4.75
5 最高
4 恋心
5 赤いタンバリン

「ルーディー、恋人たちの季節の中で吐いちまった」




ガソリンの揺れかた
ガソリンの揺れかた
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BLANKEY JET CITY
ポリドール (1997/05/28)
売り上げランキング: 99,056
おすすめ度の平均: 5
5 野太くシンプルなロック

「街は青い瓶で 車がキャラメルの箱 ネオンはオモチャの指輪 人々は壊れた時計の針」






ダンデライオン
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posted with amazlet on 06.11.02
BLANKEY JET CITY TOSHIYUKI TERUI
ポリドール (1998/08/26)
売り上げランキング: 50,370
おすすめ度の平均: 5
5 いい。
5 貴重
5 いいよ

「君の近くにいると ただそれだけでいい 水色のカーテンに隠れたまま生きていける」





左ききのBaby
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posted with amazlet on 06.11.02
BLANKEY JET CITY
ポリドール (1997/09/03)
売り上げランキング: 120,255
おすすめ度の平均: 5
5 遅すぎる幸せな出会い
5 隠れ名曲

「以前君はヒッピーに憧れ旅立ったくせに 今じゃ彼らの最終形は自殺だなんて言うし」



まぁイイ感じです、その辺は。で、最近、休みにツタヤ行くたんびに、並列営業してる薬屋さんで買い物してることに気付いた。

魚の目用のスピール膏/湿布/サポーター/ドリエル/髪染め/ワックス/風邪薬。

ちなみにドリエルで訪れる眠りは、浅い。俺が知りうる限り、身体への悪影響がもっとも少なく、快適で深い海に沈むような眠りを提供してくれる睡眠導入剤は、マリファナであったりする。
俺は大麻開放論者ではないんだけど、ココロが風邪引いちゃった系の人が心療科に通い詰めて強い眠剤をかき集め、悪循環してるような話を聞いたりすると、法律なんて破っていいと思ったりもするよ。


posted by hatfull at 00:40| 雨| Comment(14) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月26日

キノーノツヅキ。

こんな俺は、よくよく考えるとIT関係の末端にチョコンと鎮座ましましていたりする。鎮座ましましているにも関わらず「情報技術の発達はヒトをダメにする、外出て遊べや(俺は寝るけど)」と内心思っていたりした。
そもそも納得できないのが、こんだけIT化が進んで楽になったはずなのに、なんで俺たちは週に五日働かなくちゃいけないんだ?ということ。

が、最近、どうにもダメだ。助手席ナビにも頼ってるし、今日は仕事でポカやらかしてお客さんの家を探し当てるのに「EZナビウォーク」大活躍だったし。ダブル定額入ってなかったらパケ代100万超えてるっつーの。

で、案の定ソフトバンクが値下げ爆発で競争激化のMNP(モバイルナンバーポータビリティー)、それに伴うFMC(固定回線+携帯の融合)と来年以降実現化されるであろうPLC(高速電力線通信)

残念ながら、そろそろ電話回線の代わりに光ファイバー、という時代であることを認識しなくちゃならん。そして、テクノロジーが発達しても俺たちは遊んで暮らすことはできない、と知りつつも、テクノロジーの便利さにその場その場で身を委ねるであろう自分を、容認することに、今日決めた。






要するに、いつまでもおこちゃまじゃいられないってこった。そう、マイケル・コルレオーネが国を無邪気に愛する笑顔の大学生でいられなかったようにな!

と強引に話を「ゴッドファーザー」に戻す。



ゴッドファーザー
ゴッドファーザー
posted with amazlet on 06.10.26
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン (2004/10/22)
売り上げランキング: 3,347
おすすめ度の平均: 4.78
5 一週間に3回見た。
5 偉大なマフィア
5 圧倒的な雰囲気!



ゴッドファーザー PART Iは父であるビト・コルレオーネの重厚な存在感をマイケルが受け継ぐまで。アル・パチーノ演じるマイケル・コルレオーネさんが時代の変化に対応しながらファミリーを守るため、組織を、そしてそれ以上に自らを冷酷に律する男になるまでの物語だ。

姉の夫であるカルロの暗殺とその真偽を尋ねる最愛の妻に「殺してないよ」と嘘をつく=帰れない二人、なシーンが悲しすぎるスキル・・・のだが、なぜだか涙が流れない。俺の涙腺蛇口がオープンしない理由は・・・アポロニアだよ、アポロニア!おい、マイケル、アポロニアのこと思い出せ!

復讐のためにマフィアへの道を選択したマイケル、恋人とも別れ逃亡したイタリアで・・・アポロニアに一目惚れ→結婚→アポロニア、身代わりに爆死→帰国→なんの説明もなく元カノとよりを戻し結婚、という経緯が、ね。

アポロニアの件といい、身内に対する冷酷すぎるスキルな制裁といい、見ている方は「あー、原作ではここに深い掘り下げがあって、それが映画化でカットされ、また上映に当たってフィルムがカットされたんだろうなぁ」と自分を納得させなければいけない部分が結構ある。




ゴッドファーザー PART II
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン (2004/10/22)
売り上げランキング: 2,590
おすすめ度の平均: 4.9
5 親子の組織、一族の組織。
5 言葉では語りきれない名作
5 ロバート・デニーロとアル・パチーノの名演



逆に親切だなぁ、と思ったのはPART IIの構成。

親父であるビトがマフィアのボスとして成り上がっていく物語と、息子であるマイケルがマフィアのボスとして栄華を極めながら孤独を深めていく物語が交互に続くのだが、セピアがかった父の時代とフレッシュな映像の息子の時代を交互に見比べることで、この映画の美術や撮影といったスタッフの凄さが骨身に染み渡る。
そして時代が入れ替わるファーストカットごとに、コッポラは時代性を感じさせるなにかを画面に入れている。特に多いのが乗りモノ系。汽車や車といった時代によってシェイプを大きく変える乗り物を入れることにより、一目で「はい、ここでビト(マイケル)の物語に移行しましたよー」と教えてくれているのだ。



で、まぁ俺はPART IIの方が映画として好きなんであるが、それはファミリーを守るために家族を壊していくマイケルの苦悩の中に入れ込まれるあの、古き良き日のビトの誕生日パーティーのせい。

1941年12月8日のこのパーティー、兄貴肌のソニーは上機嫌で街で拾ってきた優男カルロを妹コニーに紹介してやり、戦争を仕掛けた日本の悪口を言う。「石油を止めるからさ」と冷静に答えたトムにカッとなった後、口を挟んだ末弟マイケルに「軍隊にでも入るつもりか?」と冗談を言ったつもりが、実際マイケルは素直な愛国心から入隊志願をしていた。その瞬間、ブチ切れるソニーと落ち着いた口調でマイケルを諭すトムと、空気を読まずに「偉いと思うよ」と握手を求め「黙ってろ!」とソニーに手をはたかれるダメ次男フレド。

カルロはその後、ソニーを敵対組織に売り、ソニーはその家族への愛情と激情する性格のため、まんまと蜂の巣になる。カルロはその後、心を入れ替え組織に忠実になるが、数年後マイケルによって粛清され、その妻であるコニーは長い間、自暴自棄になり、ただマイケルを憎むことになる。そしてやっと二人が和解すると、マイケルは今度、実の兄であるフレドを殺すのだ。


PART IIにおけるフレドの裏切りは、劇場映画という限定された時間(200分あるんだけどさ)の中では、なにもそこまで・・・という程度のものだ。そもそもマイケルに対してのコンプレックスこそ吐露しているものの、裏切りの意志が明白にあったかどうかは不明だし、マイケルは自らの危機察知能力ですべてのトラブルを回避し、すべてが平穏になってからフレドを粛清したのだ。
で、またフレドがいいんだよ、ホンットに人の良さそうな顔で、マイケルに許されたと信じ込んだまま、湖のボートでお祈りを捧げながら・・・・。
フレドとアンソニー(マイケルの長男)との交流と、その後に続くフレドの粛清シーンは、映画史に残る名場面だ。


そしてこんな俺は、フレドの死と、前述のパーティーを見届けて、ゴッドファーザー PART IIがフレドの映画であり、それと同じようにゴッドファーザー PART Iはソニーの映画であると気付いたわけさ。

2のフレドほどではないが、よく見ると1におけるソニーのキャラクターは、ほんっとによくできてる。殺される原因も、暗殺されるに至る直接の罠も、妹思いでカッとなりやすい性格だからそうなった、だし、マイケルが父を撃ったタッタリアへの復讐役に名乗りを挙げたときも、0.1秒前まで自分がブチ切れまくってトムに諭されてたくせに、兄貴ぶってマイケルに「気持ちは分かるけど冷静になれよ」とか言ってるのだ。

キュート!

ホント、男が惚れる不器用な男って感じ。



そして、父の腹心でマイケルにとっては叔父のような存在でありながら、裏切りを働き、マイケルに粛清される老マフィアたちの人間味。
寂しそうな顔で長身を屈め、殺されるために車に乗り込むテッシオの後ろ姿。
さりげなく自害を薦めるトムに負けないくらいさりげなく、まるで世間話のようにそれを受け入れるフランクの責任感。

こういった脇役たちの名演に囲まれると、主人公であるマイケルだけが非常につまらない人間に見え、マイケルの孤独だけがどうしようもなく現実味のあるものとして迫ってくる、という、見る側の心理を見透かしたような作り。



しかも2における若きビトを演じるロバート・デ・ニーロのかっこよさね。あまりにも完璧すぎて、ビト・コルレオーネじゃなくて演者デ・ニーロが目立っちゃってんじゃん、ってくらい。年齢を追うごとに演技のみならず外見まで完璧に変えていき、1で老ビトを演じたマーロン・ブランドの口調は、老いのためではなく生来の口調として完全コピー。

でも、それだけ完璧なデ・ニーロの青年verより、子役が演じる子供時代のビトの歌声が一番ココロに残る、という・・・。


ダイジェストっぽさは気になるけど、やっぱ名作だわ、コレ。で、携帯のメールのお陰で本来なら切れてる人間関係を持続できてることに気付いた俺は、ITテクノロジーに乗りながらソニーみたいなアツさとフレドみたいな優しさを持って生きようかな、と。


ゴッドファーザーDVDコレクション
ビクターエンターテインメント/CIC・ビクタービデオ (2001/11/22)
売り上げランキング: 1,277
おすすめ度の平均: 4.97
4 惜しい!
5 文句なしの大傑作!
5 my best

ま、ソニーもフレドも撃ち殺されるんだけどね。




posted by hatfull at 01:39| 曇り| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月25日

おめでとうっていう、フツーの日記。

先週より、急遽、仕事がトップギアに入った。多忙で疲れが取れず・・・しかし、今週が終わればまたジプシーか、と気付き、夜空を見上げる。大変なのもヒマなのも、いつも同じ場所に行くのも毎回違い場所に行くのも、全部ヤなんだわ、実際。
俺の理想は・・・一日中、水の代わりにビールを呑みながら音楽を聴き、猫と遊び・・・ダメだ、こりゃ。



多忙な日々の唯一の休日は、Sトーの結婚式。
モーニングを着込んでガチガチに緊張した新郎が入場した瞬間から、笑いを堪えるのが大変で大変で・・・。

披露宴では懐かしい顔ぶれと同席。さすがは高級ホテル、おフラ料理旨し。しかし俺らファーストフードジェネレーションのジャポネーゼ・ワーキングクラスに、コースメニューのペースはスローすぎた・・・。
食い物を上回るスピードでワイン、ビールをガンガンいき、みんなで悪酔い。
「え?ウーロンハイ、ないんですか?じゃあ自分で作るからウーロン茶と焼酎持ってきてください!」
・・・Iよ、恥ずかしいから辞めてくれ。
S木君、靴下脱いでウオノメ剥くのもちょっと・・・。

しかし、花嫁はお美しかった。思わず「卒業」のダスティン・ホフマンみたく奪って逃げようかと思ったが、定番であるご両親への手紙「お母さんは料理が上手で、小さい頃、家族でお店をやればいいのに、と思ってました/社会に出てお父さんの大変さを知りました。家では仕事の愚痴なんて一言も言わなかったお父さん・・・」でダイレクトもらい泣きしそうに。
この平穏な幸せを奪ってはイケナイ、と思い自重。

バカ大将、奥さん幸せにしてやれよ。あと、とりあえず今度俺のカポネにアーシングしに来てくれ。



奪ったはいいが、その先の二人は多難。





パオは雨が降り込む、という話を以前書いた

ので、オートバックスやらへ行くが、なんとかなりそうなモノはない。
で、ネットで注文しました「マルチバイザー 雨よけモール」。

先週は休みがなかったんで、真夜中に取り付ける。数センチ幅で一メートルほどある黒いゴムのモールに強力両面テープがついてるだけ。それを窓枠の上に取り付けるだけ。
「おい、コレで5250円かよっ!」と思うが、月曜のドライブで、早速その効果を発揮。窓を開けてタバコ喫えましてん。


で、雨の中、ツタヤで借りてきました「ゴッドファーザー」。
レンタルって今まであんまなかった気がするんだけど、見つけたんで、つい。

このシリーズは当然、過去に見てるわけだが、いつも大晦日やら正月に家族や友達と酒呑んだりしながら、というシチュエーションで、一人で画面に魅入れる状況だったわけではなく、俺は以前から、いっぺんコルレオーネとタイマン張る必要性を感じていたのだ。


とりあえずT、Uを観たわけだが・・・あ、明日仕事だからもう寝なきゃ。
とりあえずUの若きビトを演じたデニーロ最高!だけどキャラとしてはソニー最高!

ゴッドファーザーDVDコレクション
ビクターエンターテインメント/CIC・ビクタービデオ (2001/11/22)
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5 my best
posted by hatfull at 00:35| 雨| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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